うつ病の漫画 アドラー心理学ってそんな便利じゃないよ

まず最初にこの漫画(パラダイムシフト)はフィクション。
この漫画描いた人は長年鬱病でしたみたいにTwitterに書いてたけどそれに関係する漫画を描くと言ってるだけで体験談なんて一言も書いてない。

物語として前半はまあまあ面白かった。
後半アドラー心理学とマエダ先生のPRでしかない。そもそもアドラー心理学だけでうつ病が治ると思えない。
アドラー心理学って
例えば、レストランで店員に水こぼされる→怒る
っていう過程において、怒る前に、相手よりも上の立場になって承認欲求を満たしたい!自分の強さを見せつけたい!という目的が入るっていう認識。そのための手段として怒る。だからより自分の内面の欲求に向き合えるとは思う。ただ、この場合でも水をこぼされたことで、不快感から欲求が生まれたかもしれないし、自分の欲求を表に出すきっかけは生まれたわけだし原因は存在する。
だから鬱の選択を最終的にしているのは自分だとしても、無意識だし、欲求に気付いていないし、その欲求が生まれた原因は存在する。
(誰かに怒るときにいちいち相手より上の立場になりたい!なんて考えないはず)
だからトラウマは存在しない、とか過去は存在しない、とか原因はないとか、簡単に考えるのはマジで危険。
そうなるとアドラー心理学を信仰の対象みたいな感じで無条件に信じてしまう思考停止状態。まあ無心で信じることができたら、それはそれで救われるかもしれないけど。
話を戻すと、この漫画に描かれている程度のアドラー心理学の認識でうつ病が治るなら誰もうつ病で苦しまなくね。

そして2時間の説明受けただけでそこから自己カウンセリングを続けられた主人公は強靭な意志力の持つ主。あとここで登場するマエダ先生は実在しているらしい。のでHPを見てみたけど胡散臭すぎる。まず安心学とかいうやつ。心理学とか催眠療法とかnlpから寄せ集めて聞こえがいいようにした学問にしか見えない。これを学ぶのには10回で9万円以上かかるらしい。
そして肝心の心療施術の方、カウンセリング→軽い安心学の説明?→催眠の体験って書いてある。
カウンセリングの段階で納得できなければ、無料キャンセルできるという記述が。あ、キャンセルできるのねと思ったらその下に「※ご来訪後、心療施術をキャンセルされる場合は施設利用料15,000円(税抜)を申し受けます。」という記述も。
???どういうこと?施術キャンセルにお金はかからないけど施設利用にお金がかかるってことかな?使ってもいないのに?何か作動させておかないと使えない大型機械でもあるのか?それとも結局カウンセリング料は取るのか?
そしたら出張で施術しに来てくれるらしい。大型機械は使わないみたい。小型でうつ病に効く催眠機械があるんですか?そんな便利なものが?。あったらHPに書いてるし漫画にも書いてるよね。それに医者と病院から引っ張りだこだろうし。ってことは何にも使わずに施術するんだよね。施設利用料って何(笑)居酒屋のお通しかな?

まあ長々と書いたけれど、この手の学問とか催眠って病院で使われてない時点でほぼお察し。本当に鬱病が治るならそれをデータとして医学会で発表できるわけだし世界中に広めて鬱病の人をたくさん救ってくれよ。

とか疑問に思いました。フィックションとしてみると鬱病で苦しむ主人公が理解ある恋人と都合の良い心理学に助けられて鬱病が改善するめでたい話だと思います。